こんにちは！トレーナーの早川です！いきなりですが、NEAT（ニート）という言葉をご存知でしょうか？
NEATとは？：Non-Exercise Activity Thermogenesis（非運動性活動熱産生）の略語
「ダイエットのためにジムに通わなきゃ」「毎日30分は走らなきゃ…」そう意気込んでも、仕事で疲れて続かなかったり、そもそも運動が苦手だったりして、挫折した経験はありませんか？
実は、私たちの体は、意図的な運動以外にも、膨大なエネルギーを消費しています。その活動の鍵を握るのが、「NEAT（ニート）」という概念です。このNEATを味方につけることこそ、無理なく理想の体を手に入れるための最強の戦略かもしれません。
具体的には、以下のような活動がNEATに含まれます。
- 通勤で一駅分歩く
- 家事（掃除、料理、洗濯など）をする
- 立っている、座り直す
- 階段を上り下りする
- 貧乏ゆすりをする
- 買い物で店内を歩き回る
「運動」だけでは足りない？NEATがダイエットを左右する理由
私たちの1日の総消費エネルギーは、主に3つの要素で決まります。
- 基礎代謝: 呼吸や心臓の鼓動、体温維持など、生命維持に最低限必要なエネルギー。1日の約60〜70%を占めます。
- 食事誘発性熱産生: 食事を消化・吸収する際に使われるエネルギー。約10%を占めます。
- 身体活動量: 意図的な運動と、日常生活での無意識な体の動き（NEAT）で消費されるエネルギー。約20〜30%を占めます。
このうち、基礎代謝は急激に変えることが難しく、食事誘発性熱産生も食事量によって決まります。しかし、身体活動量は私たちの意識で大きく変えることができます。そして、この身体活動量の大部分を占めるのがNEATなのです。
例えば、週に2回ジムで1時間汗を流したとしても、残りの166時間をデスクに座りっぱなしで過ごしていれば、1日の総消費カロリーはさほど増えません。逆に、特別な運動をしていなくても、仕事でよく歩き回ったり、こまめに体を動かす習慣がある人は、NEATが高く、自然と痩せやすい体質になっています。
ある研究では、肥満の人は痩せている人に比べて、1日のNEATによる消費カロリーが平均で350kcalも少ないことがわかっています。この差は、ジョギング1時間分に相当します。つまり、NEATを増やすことこそ、日々の消費カロリーを劇的に増やす一番の近道なのです。
今日からできる！NEATを増やす簡単な習慣
NEATを増やすための秘訣は、「座っている時間を減らすこと」です。特別な時間や場所は必要ありません。今すぐできる、小さな工夫の積み重ねが重要です。まるで「NEAT貯金」をするように、日々の活動を少しだけ増やしてみましょう。
仕事中
- スタンディングデスクを導入する: 立っているだけでも座っているより多くのカロリーを消費します。
- 30分に一度は立ち上がる: 立ち上がって背伸びをしたり、少し歩いたりするだけでも血行が促進されます。
- 電話は立ったまま話す: 電話がかかってきたら、姿勢を正して立ち上がりましょう。
通勤・移動中
- 一駅分歩く: 毎日の習慣にすることで、確実に消費カロリーを増やせます。
- 階段を使う: エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を使うだけで、足腰の筋肉が鍛えられます。
プライベート
- 友人との待ち合わせに少し早く着いて、周辺を散歩してみる。
家事・その他
- こまめに掃除をする: 「ながら運動」の感覚で、家事と運動を両立させましょう。
これらの「小さな動き」は、脂肪燃焼効果を高めるだけでなく、血行を良くし、集中力を高めたり、気分をリフレッシュさせたりする効果も期待できます。
NEATは「運動」の代わりではない。組み合わせる最強の戦略
NEATは、日々の消費カロリーの「土台」を上げるためのものです。しかし、筋肉をつけたり、心肺機能を高めたりするには、やはり筋力トレーニングや有酸素運動といった意図的な運動も不可欠です。
NEATで日常の消費カロリーを増やしつつ、週に数回はジムや自宅でしっかりと体を動かす。この両輪を組み合わせることで、ダイエットの効率は格段に高まります。
「運動は苦手…」という人も、まずは「NEAT貯金」から始めてみませんか？特別な努力は必要ありません。今日から意識するだけで、あなたの体は変わり始めます。痩せるだけでなく、健康的で活力に満ちた生活を手に入れるために、まずは「ちょっとだけ動く」ことから始めてみましょう。
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